花曇りフリーダイヤルから電話
弟に殺されちゃった雪だるま
真ん中のドを弾くだけの小春日和
寒禽に朝までスマホ預けます
弟の涙みたいなオリオン座
北窓塞ぐかつては猫だった粘土
人見知りだから湯冷めが心地いい
ホッキョクグマ色のマフラー ありがとう
十月の心にダルメシアンがいる
神社に月 天使の羽を持つ猫は
十五夜の犬のきれいな鼻濁音
赤とんぼ ずっと決まらない文末
フトーコーフトーコー また小鳥来る
素十忌の点字ブロック影を持つ
月代のこそばゆそうな猫の耳
老犬を寝かしつけして小鳥来る
帰るのに飽きて茸を取ってみる
蟷螂の目が藍色になる角度
厚底の分だけ秋の雲に近い
食用の砂浜としてダックワーズ
外乗のトランクに積む夏の鞍
風薫る神社ペンだこごと願う
かたつむりどうやらサンゴ礁の夢
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